2016年06月
2016年06月12日
いよいよ山口で封切り、映画『ふたりの桃源郷』を観ておもふ。
「これからも『地に足着いた人の生き様』を私は撮り続けます…」
噛み締めながら独特の優しい口調で語られた佐々木さん、いや、佐々木聰監督らしい舞台挨拶の言葉...。
私、思わず涙が頬を伝っていました。
そして「映画構成では必須の、敢えて「起承転結」をつけないことで、100人いたら100人の捉え方、感じ方をしてもらえれば...」という佐々木監督の言葉通りの映画だと思います。
昨日、地元山口で封切りされた映画『ふたりの桃源郷』の初上映&舞台挨拶に仕事の合間を縫って行かせて頂きました。
実はKRYの佐々木聰ディレクターとは8年前に初めて取材を受けてからのお付き合い。
私が、牧場はもちろん、命と命がぶつかり合う危険な牛の出荷作業にカメラを入れての密着取材を唯一許せたのは、初対面で『佐々木聰』という男に惚れてしまったからなんです。カメラの前では普通、少なからず誰しも緊張するのですが、不思議と佐々木さんのインタビューは、時には親友と語り会うような感じで、時にはズバッと核心を突かれ...でもどちらにしても素の自分でいられるんですよね。
2008年2月が最初の取材で、それから今も密着取材は続いてます。
私、元々、感極まりやすい暑苦しい人間なのですが、カメラの前で何度泣かされたことか..(-_-;)もちろんカメラには映りませんが、実は佐々木さんも対面で一緒に涙流してくれてるんです。
その惚れたということを、大きく大きく、さっ引いたとしても、この映画『二人の桃源郷』は素晴らしいの一言でした。
山口の公開初日、たぶん舞台挨拶があるだろうから、何を置いてでも必ず足を運ぼうと決めてました。
上映会場のYCAMでお一人様ランチでもして開演を待とうと、早めに到着したにも関わらず、すでに会場には長蛇の列(゚_゚;) 聞けば朝9時から行列ができはじめたという、とんでもない盛況ぶりで、私、危うく入場制限を受けるギリギリの行列位置でした。
牧場を出る前、佐々木さんに「今日はYCAMの上映&舞台挨拶に伺いますね!!最前列で見守ります(笑)(笑)」と冗談交じりでメッセージをしてたのですが...
映画館の席の埋まり方の特性上、中段から後方から埋まり始め、行列最後方の私に残されたのは...『最前列の席』だったというオチwww
さて、映画の私感、ちょっと長文になる事、お許し下さいm(_ _)m
フー、フー、と肩で息しながらも、力強く斧を振り下ろし、薪割りする寅夫じいちゃんの姿に、私の亡き祖父、大吉じいさんの姿がドンッとオーバラップしてしまい...命をかけ戦地から生き延びて帰って来た戦争経験者の『覚悟と凄み』を先ずは感じました。また『農で生きる』という共通項もひしひしと感じながら...。
何より寅夫さんとフサコさん、お二人の『山にいるときの眼』と『山を下りたときの眼』の違いがスクリーンを通して本当に鮮明に映し出されてたのが、私にとって衝撃的でした。
そして、上映中は、二人にそっと寄り添いながら、インタビューされてるであろう、佐々木聰監督の表情や姿がスクリーンの向こうに鮮明に浮かんでました。
佐々木監督の舞台挨拶もあってか、何を語っていいか分からなくなるくらい、万感の想いが溢れてしまって、「書かずにおこう」と一時は思ってたのですが、いつか今の気持ちを思い出すときが必ず来るので、無理やりにでも切り取っておこうと思ったのですが...結局纏めきれてないことをお許し下さい。
帰って牧場で仕事しながらも、色々と想いが巡ってたのですが、フッと私の尊敬する不良牧師、アーサー・ホーランド先生に教えて頂いた芸術評論家の小林秀雄さんの言葉が思い浮かんできて、、、
「優れた芸術作品は、必ず言うに言われぬ或ものを表現していて、これに対しては学問上の言語も、実生活上の言葉も為す処を知らず、僕らは止むなく口をつぐむのであるが、一方、この沈黙は空虚ではなく感動に満ちているから、何かを語ろうとする衝動を抑え難く、しかも、口を開けば嘘になるという意識を眠らせてはならない」
まさにこういうことだな...と。誤解を怖れずに言うと「これはドキュメントが昇華した、人の生き様の芸術作品なんだなぁ」、これが見る人の心を引きつけて止まない理由なのか...独りこの感覚が昨日一日頭を巡っており、覚醒されて、昨夜はなかなか眠れませんでした。
そして、これは上映中に既に強く感じてたのですが、これまたアーサー先生に教えて頂いた『お釈迦様の四苦八苦の教え』が、この映画にはギュッと詰まってるなぁと。
生老病死、
『生きる』苦しみ...
『老いる』苦しみ...
『病む』苦しみ...
『死ぬ』苦しみ...
『求不得苦』...
『五蘊盛苦』...
『怨憎会苦』...
そして、
『愛別離苦』...。
この世に生きていく中で、避けては通れないこれらの苦しみと、どう向き合って生きていくのか、どう見つめていくのかを『二人の桃源郷』見終えて、本当に考えて込んでしまいました。
それは、決してネガティブな感じではなく、不思議と前向きになんですよね。
私はもちろん評論家ではありませんし、上手く伝えられないですが、、、
『佐々木聰』という人物に惚れた一人として、今度は家族と一緒にこの映画をもう一度、劇場で見ようと思ってます。
KRY山口放送の『熱血テレビ』 高橋 裕キャスターと高松 綾香キャスターとも御縁を頂き、しかも応援のお言葉を頂けるなんて、有り難い限りで恐縮でした。
舞台挨拶後、久し振りに暫し佐々木さんとお話しさせて頂いた別れ際、
「梶岡さん...ゆっくり、、、やっていきましょうね」と、この上なくゆっくりと発せられた佐々木さんの言葉に、またまた涙が溢れそうでしたが...目の前には次回上映を待つ行列の方々がたくさん並んでおられたので、私は足早に会場を後にしたのでした。
皆さん、是非とも映画館に足を運んで、ご自身の色んな『想い』を感じて頂ければ幸せます。
『ふたりの桃源郷』
http://www.kry.co.jp/movie/tougenkyou/
噛み締めながら独特の優しい口調で語られた佐々木さん、いや、佐々木聰監督らしい舞台挨拶の言葉...。
私、思わず涙が頬を伝っていました。
そして「映画構成では必須の、敢えて「起承転結」をつけないことで、100人いたら100人の捉え方、感じ方をしてもらえれば...」という佐々木監督の言葉通りの映画だと思います。
昨日、地元山口で封切りされた映画『ふたりの桃源郷』の初上映&舞台挨拶に仕事の合間を縫って行かせて頂きました。
実はKRYの佐々木聰ディレクターとは8年前に初めて取材を受けてからのお付き合い。
私が、牧場はもちろん、命と命がぶつかり合う危険な牛の出荷作業にカメラを入れての密着取材を唯一許せたのは、初対面で『佐々木聰』という男に惚れてしまったからなんです。カメラの前では普通、少なからず誰しも緊張するのですが、不思議と佐々木さんのインタビューは、時には親友と語り会うような感じで、時にはズバッと核心を突かれ...でもどちらにしても素の自分でいられるんですよね。
2008年2月が最初の取材で、それから今も密着取材は続いてます。
私、元々、感極まりやすい暑苦しい人間なのですが、カメラの前で何度泣かされたことか..(-_-;)もちろんカメラには映りませんが、実は佐々木さんも対面で一緒に涙流してくれてるんです。
その惚れたということを、大きく大きく、さっ引いたとしても、この映画『二人の桃源郷』は素晴らしいの一言でした。
山口の公開初日、たぶん舞台挨拶があるだろうから、何を置いてでも必ず足を運ぼうと決めてました。
上映会場のYCAMでお一人様ランチでもして開演を待とうと、早めに到着したにも関わらず、すでに会場には長蛇の列(゚_゚;) 聞けば朝9時から行列ができはじめたという、とんでもない盛況ぶりで、私、危うく入場制限を受けるギリギリの行列位置でした。
牧場を出る前、佐々木さんに「今日はYCAMの上映&舞台挨拶に伺いますね!!最前列で見守ります(笑)(笑)」と冗談交じりでメッセージをしてたのですが...
映画館の席の埋まり方の特性上、中段から後方から埋まり始め、行列最後方の私に残されたのは...『最前列の席』だったというオチwww
さて、映画の私感、ちょっと長文になる事、お許し下さいm(_ _)m
フー、フー、と肩で息しながらも、力強く斧を振り下ろし、薪割りする寅夫じいちゃんの姿に、私の亡き祖父、大吉じいさんの姿がドンッとオーバラップしてしまい...命をかけ戦地から生き延びて帰って来た戦争経験者の『覚悟と凄み』を先ずは感じました。また『農で生きる』という共通項もひしひしと感じながら...。
何より寅夫さんとフサコさん、お二人の『山にいるときの眼』と『山を下りたときの眼』の違いがスクリーンを通して本当に鮮明に映し出されてたのが、私にとって衝撃的でした。
そして、上映中は、二人にそっと寄り添いながら、インタビューされてるであろう、佐々木聰監督の表情や姿がスクリーンの向こうに鮮明に浮かんでました。
佐々木監督の舞台挨拶もあってか、何を語っていいか分からなくなるくらい、万感の想いが溢れてしまって、「書かずにおこう」と一時は思ってたのですが、いつか今の気持ちを思い出すときが必ず来るので、無理やりにでも切り取っておこうと思ったのですが...結局纏めきれてないことをお許し下さい。
帰って牧場で仕事しながらも、色々と想いが巡ってたのですが、フッと私の尊敬する不良牧師、アーサー・ホーランド先生に教えて頂いた芸術評論家の小林秀雄さんの言葉が思い浮かんできて、、、
「優れた芸術作品は、必ず言うに言われぬ或ものを表現していて、これに対しては学問上の言語も、実生活上の言葉も為す処を知らず、僕らは止むなく口をつぐむのであるが、一方、この沈黙は空虚ではなく感動に満ちているから、何かを語ろうとする衝動を抑え難く、しかも、口を開けば嘘になるという意識を眠らせてはならない」
まさにこういうことだな...と。誤解を怖れずに言うと「これはドキュメントが昇華した、人の生き様の芸術作品なんだなぁ」、これが見る人の心を引きつけて止まない理由なのか...独りこの感覚が昨日一日頭を巡っており、覚醒されて、昨夜はなかなか眠れませんでした。
そして、これは上映中に既に強く感じてたのですが、これまたアーサー先生に教えて頂いた『お釈迦様の四苦八苦の教え』が、この映画にはギュッと詰まってるなぁと。
生老病死、
『生きる』苦しみ...
『老いる』苦しみ...
『病む』苦しみ...
『死ぬ』苦しみ...
『求不得苦』...
『五蘊盛苦』...
『怨憎会苦』...
そして、
『愛別離苦』...。
この世に生きていく中で、避けては通れないこれらの苦しみと、どう向き合って生きていくのか、どう見つめていくのかを『二人の桃源郷』見終えて、本当に考えて込んでしまいました。
それは、決してネガティブな感じではなく、不思議と前向きになんですよね。
私はもちろん評論家ではありませんし、上手く伝えられないですが、、、
『佐々木聰』という人物に惚れた一人として、今度は家族と一緒にこの映画をもう一度、劇場で見ようと思ってます。
KRY山口放送の『熱血テレビ』 高橋 裕キャスターと高松 綾香キャスターとも御縁を頂き、しかも応援のお言葉を頂けるなんて、有り難い限りで恐縮でした。
舞台挨拶後、久し振りに暫し佐々木さんとお話しさせて頂いた別れ際、
「梶岡さん...ゆっくり、、、やっていきましょうね」と、この上なくゆっくりと発せられた佐々木さんの言葉に、またまた涙が溢れそうでしたが...目の前には次回上映を待つ行列の方々がたくさん並んでおられたので、私は足早に会場を後にしたのでした。
皆さん、是非とも映画館に足を運んで、ご自身の色んな『想い』を感じて頂ければ幸せます。
『ふたりの桃源郷』
http://www.kry.co.jp/movie/tougenkyou/